かつて1人当たりGDP(国民総生産)で世界7位だったフランスは、17位にまで低下してしまいました。
それに対する危機感がようやく醸成されたのだと思われます。
いま、日本にフランスの姿を笑っていられるだけの余裕はありません。
同時期に世界3位だった日本は世界20位に落ちているのですから。
ところが日本には、その自覚がないようにみえます。
今後22年の間に、日本は21位のイタリアにすら抜かれてしまうのではないでしょうか。
わたしは安倍内閣が標榜していた「アジア・ゲートウェイ構想」に、違和感を払拭できずにいました。
政府の資料などを読むと、「ヒト・モノ・カネ・文化・情報の流れにおいて、日本がアジアと世界の架け橋となる」ことを目的としていると書かれているのですが、どうもしっくりしません。
政策論というよりも、政策論以前の問題として、「アジア・ゲートウェイ」という言葉の裏側に、「アジア唯一の先進国である日本が、他のアジアの国々を他の先進国に紹介してやる」という嫌らしい優越感を感じ取ってしまうからです。
日本経済は奇跡的な戦後復興を果たし、目を見張るばかりの高度成長を成し遂げ、90年代前半には歴史的な経済大国にのし上がりました。
その頃、他のアジアの国や企業で、日本や日本企業を脅かす存在は皆無であったと言ってよいでしょう。
当時の記憶が鮮やかだからなのでしょうが、日本はアジア唯一の経済先進国であり、日本企業はアジアを代表する優良企業という誤ったイメージを、多くの日本人はいまだに抱いているように思います。
その認識は間違っています。
現状を確認するために、アジア各国における上場企業の時価総額を2007年2月16日時点で比較してみましょう。
鉄鋼業では、韓国のPがナンバーワンです。
日本国内では第二位のJは4位にすぎません。
化学をみれば、台湾のNは、第二位となっており、SやMを上回っています。
じつはNは、台湾プラスチッククループの中核企業であり、兄弟会社であるトップの信越化学を凌駕する大企業でもあります。
インターネットでは、日本のYの後塵を拝していますが、中国のAが急成長しています。
そして、韓国のNや、中国のTがRを抑えています。
移動通信の分野では、中国の中国移動通信(チャイナモバイル)はNの5倍を超える巨大企業であり、世界一の加入者数を誇っています。
鉱業をみると、国営5社が再編・合併により設立された中国のTは、Sをはるかに上回り、アジアのトップに君臨していますし、製紙業でも、中国のKが、日本最大手の製紙メーカーであるOと第二位のNを足し上げた以上の規模を誇っています。
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